【12月16日 AFP】2018-19アルペンスキーW杯は15日、イタリア・バルガルデナ(Val Gardena)で男子滑降第3戦が行われ、スイスのマルク・ギザン(Marc Gisin)が高速で大きく転倒し、入院するアクシデントがあった。スイススキー連盟(Swiss-Ski)によると、ギザンは現在、再検査を受けるために帰国できるまで安定した状態になっているという。

 ギザンは、こぶの手前でスキーのコントロールを失うと、コース上を滑り落ちながら高々と宙に投げ出され、背中から激しく地面に打ちつけられた。その後、意識を失ったギザンの治療にドクターが当たる間、レースは30分にわたり中断。ギザンはコースから40キロ離れたボルツァーノ(Bolzano)にある病院へヘリコプターで搬送された。

 スイス代表チームは「彼の容体は安定しており、さらなる診断を受けるためにスイスへ飛べるまでになっている」「けがに関する正確な診断は、日曜日(16日)の午後に出る見通しとなっている」とコメントを発表。メディアによれば、ギザンは骨盤と肋骨(ろっこつ)を折ったほか、脳振とうを起こしたとされている。

 また連盟の発表に先立ち、ギザンの妹で平昌冬季五輪女子複合金メダリストのミシェル(Michelle Gisin)は、イタリアメディアに対し、兄が意識を回復し、安定した状態になったことを明かしていた。

 レースはノルウェーのアレクサンデル・オーモット・キルデ(Aleksander Aamodt Kilde)が1分56秒13で制した。2位には0秒86差でオーストリアのマックス・フランツ(Max Franz)が入り、3位には0秒92差でスイスのベアト・フォイツ(Beat Feuz)が続いた。

 カナダ・レイクルイーズ(Lake Louise)で行われた滑降第1戦と米コロラド州ビーバークリーク(Beaver Creek)で開催されたスーパー大回転第2戦を制しているフランツは、これでアクセル・ルンド・スビンダル(Aksel Lund Svindal、ノルウェー)を抜いて総合首位に躍り出たほか、滑降の種目別ランキングでもフォイツと並びトップに立っている。(c)AFP