【12月16日 AFP】米民主党は15日、医療保険改革法(ACA、通称オバマケア、Obamacare)を違憲とするテキサス州連邦地裁の14日の判決に怒りをあらわにし、11月の中間選挙で下院の過半数を獲得したことを生かして共和党の責任を追及し、徹底的に争う姿勢を示した。

 テキサス州連邦地裁のリード・オコナー(Reed O'Connor)判事は、医療保険への加入を怠った人に科す罰則はオバマケアの要だったが、米議会が2017年の税制改革でこの罰則を撤廃したことで医療保険改革法全体が違憲になったとして、同法を無効とすべきだと述べた。この裁判は、いずれも共和党の複数の州の司法長官と2州の知事が起こしていた。

 米ホワイトハウス(White House)は声明を発表し、今回の判決が最高裁に上訴されると予想していると述べ、現時点では「(医療保険改革)法は続けて施行される」としている。

 同法は施行されて以降、法律上や議会で数々の攻撃を受けてきたが今まで生き延びてきた。民主党は、同法が無効化されれば数百万人が無保険になる恐れがあるとして、対抗措置を取る姿勢を示した。

 民主党は同法をバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領最大の業績と見なしているが、共和党は政府による過干渉だとして反対している。ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は2016年米大統領選で同法の廃止と別の制度の創設を公約の柱としていた。

 今回とは別の2012年の裁判で最高裁判事9人のうち5人がオバマケアを支持した。この5人は今も全員が最高裁判事を務めている。今回のテキサス州連邦地裁の判決に最高裁がどのような判断を下すかは不明だが、連邦地裁判決を支持すれば米医療保険制度に大きな混乱を招く恐れがある。(c)AFP/Elodie CUZIN, Carlos HAMANN