【12月16日 AFP】フランスで15日、燃料税引き上げに対する抗議に端を発した反政府デモ「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」運動の参加者と数万人の警官の間でにらみ合いが発生した。しかし、開始から5週目に入り、今後を決める上で重要な同日のデモでは、参加者の数が前週に比べ半減し、一時の勢いが失われたとみられている。

 政権発足後最大の危機に直面した同国のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は10日、地方部や小規模な街で先月始まり非常に危険な状態にまで発展した同運動を受け、さまざまな譲歩策を提示し事態の沈静化を図った。

 11日夜には東部ストラスブールのクリスマス市で銃乱射事件が発生、政府は増員された治安要員をデモに配備しなくて済むよう、国民に自宅にとどまるよう要請していた。

 内務省の15日午後6時(日本時間16日午前2時)の発表によると、フランス全土でのデモ参加者数は推計6万6000人となり、前週に比べ半減した。

 首都パリでは15日、8000人以上の警官が警備に当たりデモ参加者数を圧倒的に上回った。同市当局によると参加者数は同日昼すぎの集計で2200人だった。

 同日午後6時までの拘束者数は168人で、今月8日の約1000人から大幅に減少した。(c)AFP/Remi Banet and Adam Plowright