【12月15日 AFP】フランス・パリで15日朝、燃料税引き上げに対する抗議に端を発した反政府デモ「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」運動の参加者がシャンゼリゼ(Champs Elysees)通りに集まり始めた。政府は外出を控えるよう呼び掛けているが、同運動はこれで5週連続となる。

【写真特集】フランス全土に広がるデモ、「黄色いベスト」運動

 政権発足後、最大の危機に直面しているエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は10日、運動の鎮静化を図り、最低賃金の引き上げや税の改革プランといった譲歩策を提示。マクロン大統領は、11日にフランス東部ストラスブール(Strasbourg)のクリスマス市で起きた銃乱射事件と、このところの寒さの影響も合わせ、衝突や混乱が収束に向かうことを望んでいる。

 過去3週にわたって、土曜日にはフランス全土でバリケードが燃やされ、略奪が発生し、デモ参加者と警察が衝突。しかし、国民の大多数は運動を支持し、マクロン大統領の財界優先の政策と政治スタイルに対する反発が急激に広がっていった。

 だが、マクロン大統領が譲歩したことを受けて11日に発表された2つの世論調査では、運動を続けるべきだと思うかという質問への回答はほぼ半々に分かれた。

 運動を率いる立場にいる多くの人々は、急進左派政党「France Unbowed」の指導部と共に、政府に圧力をかけてさらなる譲歩を引き出すべく、今日の抗議運動に参加するよう呼び掛けている。一方、地方の参加者はパリに向かうより地元で集会を行い、決意を示すべきだとの声も出ている。

 15日のパリ市内には先週と同じく、約8000人の警察官が動員され、群衆を統制するために装甲車14台と、高圧放水銃や騎馬隊も配備される。(c)AFP