【12月17日 AFP】元気象予報士のラルス・ハートウィグさん(47)は、高齢化の進むドイツで広がりつつある「倹約主義」の夢を達成した。40代で退職し、働いた時代に貯めた金で控えめに暮らしているのだ。(※この記事は、2018年7月28日に配信されました)

 ベルリン在住のハートウィグさんはAFPに「給料はもう要らないと、4年前に気付いた。それ以上働く必要はなかった。だから仕事をやめた」と語った。

 厳しい時を乗り越えながら貯金期間の10年間を生き抜き、その貯金を慎重に投資して、いざ飛び立つための資金を手にした。ハートウィグさんは2008年の金融危機後の「1、2年は極端なけちだった」と認める。保有していた株が下落し、回復するまでの間の時期だった。「家では電気をつけないようにし、電気メーターはいつもチェックし、食べ物は一番安いものを買っていた」「けれど、もうその段階は終わった」

 ドイツ語のブログやインターネットフォーラムでは、倹約生活への憧れが広まっている。それをかき立てているのはすでに夢をかなえた人々や、現金をかき集めさえできたらどうなるだろうと想像している人々だ。

 例えば、経済的自由を目指したオリバー・ノエルティンさん(29)の遍歴は、オンライン上で年ごとに詳細に記録されている。「40歳になったとき、自分が自分に何を言っているか、完璧に想像できる。『もうこれは10年か、12年かやってきた。もう別のことをやりたい』と」。ハノーバー(Hanover)を拠点とするコンピュータープログラマーのノエルティンさんは、67歳に設定されている公的退職年齢をあざ笑う。「私の目標は、ただ幸せになることだ」