【12月15日 AFP】ドイツスキー連盟(DSV)は14日、アルペンスキーW杯の男子大回転で酸素吸入を行ったシュテファン・ルイッツ(Stefan Luitz)を失格とし、同選手から優勝を剥奪すべきだという勧告を国際スキー連盟(FIS)から受けたと発表した。

 12月2日に行われた大回転第1戦でW杯初優勝を飾った26歳のルイッツは、その1本目と2本目の滑走の間に酸素吸入を行っている様子が写真で明らかになっており、FISは調査を開始していた。

 DSVは13日夜、ルイッツを失格にするという決定をメールで知らされたと明かした。この措置への対応は15日間以内となっている。

 DSVでアルペンスキーのディレクターを務めるウォルフガング・マイヤー(Wolfgang Maier)氏は、独スポーツ通信社SIDに対し、「われわれには二つの選択肢がある。受け入れるか、上訴するかのどちらかだ」とコメントした。

 大会中の酸素吸入は、世界反ドーピング機関(WADA)では禁止されていないものの、FISの反ドーピング規則では2016年6月から違反であることが明確に記されている。

 ドイツチームは、ルイッツの酸素吸入を許可したことに関して誤りを認めており、マティアス・バートホールド(Mathias Berthold)監督は12月上旬、報道陣に対し「われわれコーチ陣とドクターは極めてばかげた決断をした」と説明していた。

 故障から1年ぶりにゲレンデに復帰したばかりのルイッツの優勝が仮に剥奪されれば、そのタイトルはオーストリアのエース、マルセル・ヒルシャー(Marcel Hirscher)に渡ることになる。(c)AFP