【12月15日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と不倫関係にあったと主張する女性2人に違法な口止め料を支払ったなどとして禁錮3年の有罪判決を受けたトランプ氏の元顧問弁護士マイケル・コーエン(Michael Cohen)被告は、14日に放送されたインタビューの中で、トランプ氏は不正な行為だと知っていながら口止め料の支払いを指示したと述べた。コーエン氏が公に発言したのは判決後初めて。

 コーエン被告は2016年の米大統領選期間中にトランプ氏との不倫関係を公表しようとしていたポルノ女優と米男性誌「プレイボーイ(Playboy)」元モデルに口止め料を支払い、これで選挙資金法に違反したとして有罪となった。

 14日放送のABCテレビの番組「グッド・モーニング・アメリカ(Good Morning America)」のインタビューでコーエン被告は、違法行為を指示したことはないというトランプ氏の主張に真っ向から反論。「そんなことは誰も信じないと思う」と述べ、「(トランプ氏は)このことが選挙にどのような影響を及ぼすのかとても心配していた」からこそ、行動を起こしたのだと主張した。

 ポルノ女優のストーミー・ダニエルズ(Stormy Daniels)さんと、米男性誌「プレイボーイ」元モデルのカレン・マクドゥーガル(Karen McDougal)さんへの口止め料の支払いが不正だとトランプ氏は認識していたのかと問われると、コーエン被告は「もちろんだ」と答えた。コーエン氏は検察に対し、トランプ氏と調整し指示を受けた上で、計28万ドル(約3200万円)の口止め料を支払ったと供述していた。

 連邦検事やロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官が2016年米大統領選にロシアが干渉した疑惑についてトランプ氏と側近の捜査を進める中、まもなく大統領就任3年目に入るトランプ氏がますます危うい状況に置かれている。トランプ氏はこのインタビューへの反応を示していないが、ホワイトハウス(White House)のホーガン・ギドリー(Hogan Gidley)報道官はコーエン氏のコメントについて「自ら認めたうそつき」の発言だとしてはねつけた。(c)AFP/Daniel WOOLLS