【12月14日 AFP】米ニューヨーク州当局は13日、最大で法定許容量の10倍の鉛を含む中国製玩具を販売したとして、小売り大手のウォルマート(Walmart)とターゲット(Target)を提訴する方針を明らかにした。

 この訴訟では、2015年から翌16年にリコールされるまでの間にウォルマートとターゲット、さらに輸入元のラローズ・インダストリーズ(LaRose Industries)が販売したおもちゃのアクセサリーセット数千点について、1点ごとに最大6000ドル(約70万円)の罰金の支払いを求めていく。

 ニューヨーク州のバーバラ・アンダーウッド(Barbara Underwood)司法長官は声明で、「子どもの玩具が有毒かもしれないと、親に懸念を抱かせてはならない。われわれは、これらの企業が有毒な鉛を危険量を含む玩具を輸入・販売したとみている」と述べた。

 アンダーウッド氏によると、鉛の法定許容量が100ppmであるのに対し、このおもちゃの部品の一部にはそれを上回る120~980ppmの鉛が含まれていたという。

 ラローズ・インダストリーズとターゲットは、この玩具を2015年8月から2016年4月にかけて中国から輸入。ウォルマートとターゲットは安全上の問題があるとの通知を受けると、商品を店頭から直ちに撤去し、リコールに踏み切っていた。

 訴訟では、3社が有害玩具の販売や欺瞞(ぎまん)行為、虚偽広告などに関する複数の州法に違反したとして争っていく構え。

 さらにアンダーウッド氏は3社に対し、調査の義務化やメーカーの抜き打ち検査、危険物質に関する規制の厳格化などの措置も求めていくとしている。(c)AFP