【12月14日 AFP】ブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)次期大統領に長男の元側近が処理に関わった計120万レアル(約3500万円)に上る使途不明金をめぐる疑惑が浮上し、金融活動監視審議会(COAF)が調査している。

 ボルソナロ氏は今年10月、反汚職を掲げて大統領選に勝利。来年1月に大統領に就任する予定だが、疑惑を受けて12日夜にフェイスブック(Facebook)に動画を投稿し、長男であるフラビオ(Flavio Bolsonaro)次期上院議員の側近だったファブリシオ・ジョゼ・デ・ケイロス(Fabricio Jose de Queiroz)氏による支払いについてCOAFが調査していることを認めた。

 フラビオ氏も後に声明を発表し、ケイロス氏が関与したことには一切関知しておらず、「やましいことは何もしていない」と訴えた。また「メディアは私の評判を落とし、父を傷つけようと異常な圧力をかけている」とメディア批判を展開した。

 ケイロス氏は長年フラビオ氏のお抱え運転手兼ボディーガードを務め、現在は警察官となっているが、ケイロス氏が取引に関わった金額が収入を上回るものであることから疑惑を呼んでいる。

 COAFはケイロス氏がボルソナロ氏の妻ミシェル(Michelle Bolsonaro)夫人の口座に振り込んだ2万4000レアル(約70万円)についても調査しているが、ボルソナロ氏側は借金の返済だったが申告していなかったと釈明している。

 ボルソナロ氏は動画で、ケイロス氏が来週にも当局に事情を説明すると表明。ボルソナロ氏は疑惑浮上後、数日間記者との接触を避けていた。(c)AFP