【12月14日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長は13日、各国のサッカー協会や連盟の「大多数」がW杯カタール大会(2022 World Cup)の出場国数を32から48に増やす案を支持していると明かした。

 カタール・ドーハで3日間にわたって行われたFIFAの会合を終え、記者会見に出席したインファンティーノ会長は、世界中の協会がこの案を支持していると述べた。

 インファンティーノ会長は「いずれ分かる」と述べ、「大多数が賛成している。なぜなら、出場国数が16増えるということは、新たに16の国がW杯に熱狂するというだけでなく、さらに50から60の国が夢を見られるということを意味するからだ」と続けた。

「実現可能かどうか、それが問題だ」

 FIFAは実現可能性に関する調査を終わらせた後、次回の会合が開催される来年3月に最終決定を行うと話している。FIFAはすでに米国、メキシコ、カナダで開催される2026年W杯(2026 World Cup)から、48チーム制を採用する後押しをしてきた。

 インファンティーノ会長はまた、カタールが4年後に行われるW杯を48チームで行う案を検討するだろうとコメントした。

「カタール側にはこの案を受け入れる姿勢があり、私はそのことをとてもありがたく思う」

 インファンティーノ会長は最終的な決定について、「もちろんわれわれが今話している最初のパートナーは、カタールの政府やサッカー協会、当局だ」と補足している。

 大会の拡大に関するあらゆる決定は、物流および政治的な問題に直面している。

 今年のW杯ロシア大会(2018 World Cup)のように従来のW杯の大会日数は32日間だったが、中東で初めて開催されるカタール大会は28日間で行われる。

 インファンティーノ会長は、カタール大会の大会日数を変更することはありえないと認めたため、周辺地域で試合を行うのが一つの選択肢になり得る。

 しかし事態を複雑にしているのは、カタールが近年中東地域で直面している最悪の外交危機の渦中にあるということだ。

 昨年6月以降、カタールはかつて同盟を結んでいたサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンといった近隣諸国から政治的、経済的に孤立している。これらの国は、カタールがテロ組織を支援してイランに接近したとして非難している。

 カタールはこれを否認しており、敵対諸国はカタールの政権交代を求めていると話している。

 インファンティーノ会長は「近隣諸国で何試合かを開催できれば、それが一つの選択肢になるかもしれない」と話した。

「もちろん私は中東情勢を知らず、ニュースを見ないほどの世間知らずではない」「しかし、われわれが身を置くのはサッカーの世界であり、政治の世界ではない」 (c)AFP/David HARDING