【12月13日 AFP】インドネシア・スマトラ(Sumatra)島最北部のアチェ(Aceh)州で12日、シャリア(イスラム法)に違反し、未成年の少女と性行為に及んだとして公開むち打ち刑を言い渡されていた男2人の刑が執行され、2人はそれぞれ100回ずつ、むちで打たれた。

 アチェ州は、世界最多のイスラム教徒を抱えるインドネシアの中でも唯一、現在もイスラム法が施行されている保守的な州だ。むち打ち刑は賭博や飲酒、同性愛、婚外交渉などに対して行われているが、むち打ち100回は重罪に限られる。

 12日にむち打ち刑に処された2人は、未成年の義理の娘と性交渉を持った男と、性的同意年齢の18歳に達していない近所の少女と性的関係になった男で、いずれも今年逮捕され、公開むち打ち100回と禁錮5年を言い渡されていた。

 むち打ち刑が始まると、2人のうち1人は5回たたかれたところで片手を上げ、たたくのをやめてくれと懇願し、これ以上痛みに耐えられないと訴えた。しかし、立ち会った医師が男には残り95回のむち打ちに耐える体力があると判断したため、むち打ちは再開された。

 もう1人は、シャツの背中に血がにじみながらも、黙々とむち打ちに耐えていた。

 地元検察によると、むち打ち刑の延期は受刑者の健康に重大な影響が及ぶと医師が判断した場合に限られるという。

 公開むち打ち刑は金曜礼拝の後にモスク(イスラム礼拝所)前で行われるのが常だ。だが、12日のむち打ちは競技場で行われ、見物人はわずかだった。

 公開むち打ち刑については、人権団体が残酷な刑罰だと非難。ジョコ・ウィドド(Joko Widodo)大統領も中止を求めているが、住民の98%がイスラム教徒のアチェ州では広く支持されている。(c)AFP