【12月13日 AFP】米ホテルチェーン大手マリオット・インターナショナル(Marriott International)の顧客情報が大規模なハッキング被害を受けた問題で、マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は12日、中国政府の関与があり、同政府による世界的なサイバー窃盗活動の一環であるとの考えを表明した。

 ポンペオ国務長官はFOXニュース(Fox News)の番組「フォックス・アンド・フレンズ(Fox and Friends)」でマリオットでのデータ盗難について、米政府は中国が首謀者としてこれを指揮したと確信していることを認めた。「彼らは世界中でサイバー攻撃を行っている」と語った。

 今回のマリオットの顧客情報流出問題の他、米中では地政学的問題や貿易、テクノロジー業界での競争、スパイ活動問題で緊張が高まっている。

 中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ、Huawei)の孟晩舟(Meng Wanzhou)最高財務責任者(CFO)は5日、米国の身柄引き渡し要請に基づきカナダで逮捕された。米国は孟容疑者を対イラン制裁に違反した商取引に関する詐欺容疑で訴追する考え。

 米政府は中国が米政府や企業を標的として、広範囲にわたるサイバー攻撃を続けているともみており、対抗措置として今週、中国の軍部と情報機関関連のハッカーを新たに訴追することを発表するとみられている。

 マリオットの顧客約5億人分の詳細データを盗み出したハッカー集団は、中国国家安全省の指示で活動していたとみられている。米政府はこのハッカー集団を、医療保険会社や米行政機関職員の個人情報を標的とした一連のスパイ活動の一部とみている。(c)AFP/Paul HANDLEY