【12月12日 AFP】政情が不安定な中国北西部の新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で先月、消息を絶った同国の著名な報道写真家、盧広(Lu Guang)氏が、当局に逮捕されていたことが明らかになった。米ニューヨークに住む妻の徐小莉(Xu Xiaoli)さんが12日、明らかにした。

 徐さんは同自治区内にある古都カシュガル(Kashgar)の警察当局から電話があり、盧氏が逮捕されたと認めたとツイッター(Twitter)に投稿した。容疑に関する言及はなかったという。また現時点では身柄拘束に関する公式書類も届いておらず、面会許可も出ていないという。

 徐さんは「家族は現在、本件を扱う当局への接触を弁護団に任せている」と投稿した。

 11月末の時点で徐さんは、友人から盧氏が治安当局に拘束され、カシュガルに連行されたと聞いたと明かしていた。一方、カシュガルの警察当局はAFPの取材に対し「関連情報はない」と応じた。

 米在住の盧氏は過去25年にわたって、中国の経済発展と社会変化の暗黒面をカメラで浮き彫りにし、世界報道写真展(World Press Photo)など数多くの受賞歴がある。盧氏は先月5日、同自治区から四川(Sichuan)省に移動し、友人と落ち合う計画だったが、この友人は盧氏と会えなかった。

 盧氏から徐さんへの最後の連絡は11月3日夜、区都ウルムチ(Urumqi)からのものだった。ウルムチ周辺では当局が厳戒警備を敷いており、またウイグル人らの強制収容所も運営していると糾弾されている。

 同地域を訪れる外国人ジャーナリストはたびたび警察に拘束されたり追跡されたりしており、これは強制収容所やウイグル人の処遇を報道させないための妨害だと捉えられている。(c)AFP