【12月12日 AFP】エジプトの貿易業者の話によると、フランスの反政府デモ「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」運動を受け、エジプト当局が黄色いベストの販売を非公式に規制しているという。自国へのデモの波及を懸念しているためとみられている。

 AFPの取材に応じたある輸入業者は、「1週間ほど前、黄色いベストの販売は対企業のみに限り、個人には売らないようにと警察から指示を受けた」と証言。また首都カイロの繁華街で取材に応じた複数の販売業者によると、警察の指導により黄色いベストの販売が禁止されたという。

 別の貿易業者も「国家治安当局がやって来て、フランスの抗議運動がこちらに及ぶ懸念があるとの理由からベストを個人に販売しないよう要請してきた」と話した。

 また、11日には人権問題を担当する弁護士がチラシや黄色いベストを配布・所持していたとして2週間の再勾留処分を受けた。

 これらの件について内務省報道官に取材を試みたが、コメントは得られなかった。

 エジプトでは2011年、ホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)大統領(当時)の退陣を求める大規模デモが全土に拡大し、長期政権を築いた同氏は辞任に追い込まれた。(c)AFP