【12月12日 AFP】米ナショナルフットボール(NFL)、オークランド・レイダース(Oakland Raiders)のラスベガス移転をめぐって、現在の本拠地があるカリフォルニア州オークランド市が11日、リーグとチームを相手取った裁判を起こした。

 レイダースは2020年からラスベガスへ移ることが決まっているが、オークランド市は弁護士を通じて、移転は「違法」であり独占禁止法(反トラスト法)に違反すると発表した。市はリーグを「カルテル」と呼び、「収入減や、オークランドの納税者がチームに注いできた金銭、その他の費用など、レイダースの違法なラスベガス移転に伴う損失を取り戻す」ことを目指している。

 弁護士は、レイダースとNFLが「オークランドをホームとすることを拒否した時点で、反トラスト法とリーグの内規を厚顔にも犯して」おり、「レイダースの違法な行動は、NFL各チームのオーナーの懐を潤し、オークランド市と住民、納税者、献身的なファンにその請求書を突きつけるものだ」とコメント。そして「訴訟の目的は、不法な行動がオークランド市民にもたらす損害の責任を相手方に取らせ、賠償させること」だと述べた。

 市が訴訟に踏み切ったことで、レイダースの2019年シーズンの戦いにも影響が出る可能性が生じている。本拠地であるオークランド・アラメダ・カウンティ・コロシアム(Oakland-Alameda County Coliseum)のリース契約は、市とチームとの間で話がまとまったとされるが、正式な合意には至っておらず、マーク・デービス(Mark Davis)オーナーは、訴訟を起こされた場合は同スタジアムでの試合をボイコットする可能性を示唆している。

 オーナーは米スポーツチャンネルのESPNに「個人的にはオークランドでプレーしたい。心からそう思っている」「リースの条件については市評議会と完全に話がついている。あとは彼らが合意すれば、われわれは来年もここでやれる」と話していた。(c)AFP