【12月12日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領とかつて不倫関係にあったと主張するポルノ女優、ストーミー・ダニエルズ(Stormy Daniels)さんがトランプ氏を名誉毀損(きそん)で訴えた裁判で、カリフォルニア州の連邦地方裁判所は、訴えが棄却されたことを受けてダニエルズさんにトランプ氏の訴訟費用など約30万ドル(約3400万円)の支払いを命じた。

 本名はステファニー・クリフォード(Stephanie Clifford)というダニエルズさんは、自身がトランプ氏と不倫関係にあったとの主張に対して、トランプ氏がツイッター(Twitter)で「完全なでっち上げ」と反論したことについて名誉毀損で提訴。しかし連邦地裁は10月、トランプ氏がツイートで使った表現は政治や一般の会話での一般的な「大げさな誇張」に当たり、言論の自由を定めた合衆国憲法修正第1条(First Amendment)で保護されると判断、訴えを棄却していた。

 連邦地裁のS・ジェームズ・オテロ(S. James Otero)判事はダニエルズさんに対し、トランプ氏の弁護士費用29万3000ドル(約3320万円)と、訴訟を起こしたことに対する制裁金として1000ドル(約11万3000円)の支払いを命じた。

 ダニエルズさんは、2016年の米大統領選直前にトランプ氏側と交わした秘密保持契約をめぐってもトランプ氏を訴えており、この訴えは審理が続いている。ダニエルズさんは大統領選直前に口止め料の名目でトランプ氏の弁護士から13万ドル(約1450万円)を受け取ったと主張している。

 ダニエルズさんの弁護士、マイケル・アベナッティ(Michael Avenatti)氏は支払いを命じる判決の後、ダニエルズさんは上訴する方針であり、一銭も払わないで済むだろうと述べている。(c)AFP