【12月12日 AFP】フランス東部ストラスブールで開かれているクリスマス市の近くで11日、男が銃を発砲し、警察当局によると少なくとも2人が死亡、12人が負傷した。容疑者は現場から逃走し、警察が行方を追っている。検察当局のテロ対策部門が捜査を開始した。

 発砲があったのは11日午後8時(日本時間12日午前4時)ごろ。現場はストラスブールの繁華街で、大勢の買い物客が安全な場所を求めて逃げ出したという。

 捜査関係筋によると、容疑者の男は別の殺人事件に関わった疑いで同日逮捕されることになっていた。警察によると当局には知られていた人物で、過激派の疑いがある人物のリストにも登録されていたという。

 警察関係者らによると、容疑者はテロ対策の一環として周辺を巡回していた兵士らに撃たれ負傷したものの、現場から逃走。その後警察と撃ち合いになった。

 AFP記者によれば、同市にある欧州議会(European Parliament)では事件を受けて封鎖措置が取られ、議員や職員、ジャーナリストらは建物外へ退去できない状態となっている。

 フランス内務省はツイッター(Twitter)への投稿で「ストラスブールで深刻な公衆保安上の出来事が発生中。住民は自宅にとどまるように」と呼び掛けた。

 同市の副市長もツイッターで、市中心部で発砲があったと明らかにし、住民らに対し「状況が明らかになるまで」自宅で待機するよう呼び掛けた。

 ストラスブールのクリスマス市は毎年数十万人の観光客らが訪れる人気の恒例行事。2015年以降、フランス国内でイスラム過激派による襲撃事件が相次いだことを受け、会場の警備は強化されていた。(c)AFP