【12月12日 AFP】米誌タイム(Time)は11日、2018年の「今年の人(Person of the Year)」に、サウジアラビア出身のジャーナリストで10月にトルコのサウジ総領事館内で殺害されたジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏らジャーナリスト4人と新聞社1社の従業員らを選び、真実を追い求める「監視者」とたたえた。

 カショギ氏と共に選出されたのは、フィリピンでロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領に批判的なニュースサイトの最高経営責任者(CEO)を務めるマリア・レッサ(Maria Ressa)氏、ミャンマーで収監されているロイター通信(Reuters)のワ・ロン(Wa Lone)記者とチョー・ソウ・ウー(Kyaw Soe Oo)記者、さらに米メリーランド州アナポリス(Annapolis)で6月に銃撃を受けた日刊紙キャピタル・ガゼット(Capital Gazette)の従業員ら。この中には、事件の犠牲になったスタッフ5人も含むとしている。

 タイム誌のエドワード・フェルゼンタール(Edward Felsenthal)編集長は、「候補らに目を向けると、ロシアから(サウジ首都)リヤド、シリコンバレー(Silicon Valley)まで、今年の大事件の非常に多くに、真実の操作と悪用が共通要素となっていることが明白になった」と指摘。

「よってわれわれは、大きな危険を冒してより大きな真実を追い求めた、ジャマル・カショギ氏をはじめとする4個人と1団体に焦点を当てることにした」と説明した。

 1927年から毎年「今年の人」を選出してきたタイム誌は、今週号の表紙を4種類用意し、選ばれた人々の写真を載せた。故人が選出されたのは今回が初めて。(c)AFP/Thomas URBAIN