【12月12日 AFP】(更新、写真追加)フランス東部ストラスブールのクリスマス市会場で11日、男が買い物客らに向けて銃を発砲し、当局によると3人が死亡、13人が負傷した。容疑者は現場から逃走し、警察が行方を追っている。検察のテロ対策部門が捜査を開始した。

 発砲があったのは11日午後8時(日本時間12日午前4時)ごろ。現場はストラスブールの繁華街で、大勢の買い物客が安全な場所を求めて逃げ出した。

 捜査関係筋によると、容疑者の男は別の殺人事件に関わった疑いで同日逮捕されることになっていた。警察によると当局には知られていた人物で、過激派の疑いがある人物のリストにも登録されていたという。

 警察関係者らによると、容疑者はテロ対策の一環として周辺を巡回していた兵士らに撃たれ負傷したものの、現場から逃走。その後警察と撃ち合いになった。

■現場は「大混乱」に

 現場に居合わせた男性はAFPの取材に対し「銃声が聞こえ、それから大混乱になった。人々はあちこちに走り出していた」と語った。市の中心部にある巨大なクリスマスツリーから数メートルほどの場所で、3人がけがをして倒れていたという。

 別の目撃者は「銃声が何発か聞こえた。おそらく3発だったと思う。皆走って逃げていた」と説明。「一人、倒れた女性がいたが、単につまずいただけだったのか、それとも撃たれたのかまでは分からない」と、当時の騒然とした状況を振り返った。

 AFP記者によれば、同市にある欧州議会(European Parliament)では事件を受けて封鎖措置が取られ、議員や職員、ジャーナリストらは建物外へ退去できない状態になった。

 ドイツとの国境沿いにあるストラスブールで催されるクリスマス市は、毎年数十万人の観光客らが訪れる人気の恒例行事。2015年以降、フランス国内でイスラム過激派による襲撃事件が相次いだことを受け、会場の警備は強化されていた。(c)AFP