【12月10日 AFP】サッカー女子アフガニスタン代表の選手が、同国連盟(AFF)の関係者から暴行を受けたとされる問題で、同国の司法当局は9日、会長を含む5人に職務停止の処分を科したことを発表した。

 この問題は英紙ガーディアン(Guardian)の報道に端を発したもので、同紙は女子チームの選手が連盟本部や合宿地で職員から暴行されたという、連盟幹部とされる人物の言葉を紹介。この「ショッキングな」告発を受けて、アシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)大統領が「徹底調査」を命じる事態になっていた。

 そして9日、司法当局は広報を通じて「会長と副会長、事務局長、ゴールキーパー部門長、地方コーディネーター部長の職務を停止した」と発表した。当局は5人全員が男性だと明かし、停止理由として「徹底的な調査を行い、証拠を集め、正義を守る」ためだと述べた。AFFも、広報を通じて「調査に協力する」とコメントしている。

 ガーディアンの記事で、アフガニスタンの女子選手は男性職員からさまざまなことを「強要される」と話していた元代表主将のカリーダ・ポパル(Khalida Popal)氏も、今回の処分を歓迎している。命を狙われて国を離れ、同胞の女子選手が直面する差別について声を上げ続けているポパル氏は、ツイッター(Twitter)に「みんなが一緒に立ち上がり、声を上げ、声なき人のための声になれば、罪のない人を傷つけようという人はいなくなる。サッカーは暴行するためのものじゃない」と書き込んだ。

 この問題については、すでに国際サッカー連盟(FIFA)が調査に乗り出していることを明らかにしており、AFFとキットスポンサー契約を締結していたデンマークのスポーツ用品メーカーのヒュンメル(hummel)も、契約打ち切りを発表している。

 アフガニスタンの女子サッカーをめぐる状況は、代表以外のところでも近年大きな進歩を遂げており、4年前には女子の国内リーグも始まっていた。(c)AFP