【12月10日 AFP】サッカーリベルタドーレス杯(Copa Libertadores de America 2018)は9日、襲撃事件により延期と国外開催が決まっていた決勝第2戦がスペインのサンチャゴ・ベルナベウ(Santiago Bernabeu Stadium)で行われ、リーベル・プレート(River Plate)が延長戦の末に3-1でボカ・ジュニアーズ(Boca Juniors)に勝利し、2戦合計スコア5-3で優勝を飾った。

 試合はダリオ・ベネデット(Dario Benedetto)の得点でボカが先制したが、リーベルもルーカス・プラット(Lucas David Pratto)のゴールで同点に追いつくと、迎えた延長戦でフアン・キンテロ(Juan Quintero)とゴンサロ・マルティネス(Gonzalo Nicolaz Martinez)が得点を加え、決勝にふさわしい劇的な試合を制した。リーベルにとっては2015年以来、通算4回目のリベルタドーレス杯戴冠となった。

 リーベルのレオナルド・ポンシオ(Leonardo Ponzio)は試合後、「自分たちの方が優れていることを証明できた」「これまで起きてしまったことに沈黙を貫いてきたが、ピッチ上で自分たちが上回っていることを示せた」と語った。

 ボカのギジェルモ・バロシュケロット(Guillermo Barros Schelotto)監督は、「今はただ悲しい。カップを勝ち取り、ボカのみんなに届けることができなかった」「勝てなかったことをみんなにどう報告すればいいのか。大変な苦労をしてアルゼンチンから来てくれた人もいるのに」と話した。

 3回にわたって延期され、ブエノスアイレスからマドリードへ場所を移して行われた決勝第2戦だが、名門2チームのサポーターはベルナベウまで詰めかけ、サッカー史に残る一戦と銘打たれたゆえんを示した。6万2000人以上の観客の中には、リオネル・メッシ(Lionel Messi)やアントワーヌ・グリーズマン(Antoine Griezmann)、ディエゴ・ゴディン(Diego Godin)の姿もあった。

 決勝が国外開催になったことによる残念な印象はぬぐえなかったが、それでもサポーターたちは街中で陽気な姿を見せ、青と赤の煙をたき、タオルマフラーを回し、フラッグを振り、3時間前からスタジアム入りしてチャントを歌った。

 本来の開催日だった11月24日には、リーベルのファン約50人がボカのチームバスを襲撃して選手にもけが人が出る事件が起こり、アルゼンチンサッカーに暗い影を落としたが、この日は何事もなく試合が進んだ。

 今季の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2018-19)決勝の開催都市でもあり、大きなイベントの開催経験や安全面を評価されて選ばれたマドリードは、2500人の警察官を配備するなど、試合前の警備でしっかり仕事をした。両チームのサポーターはスタジアムの両サイドに分けられ、隣接する区画でも係員によるチェックが行われた。(c)AFP/Thomas ALLNUTT