【12月9日 AFP】8日に組み合わせ抽選が行われた女子サッカーW杯フランス大会(FIFA Women's World Cup 2019)で、日本と同じグループDに入ったイングランドのフィル・ネビル(Phil Neville)監督が、日本には「素晴らしい世代」の選手たちがいると話し、日本戦は非常に難しい試合になると警戒感をのぞかせた。

 イングランドは、前回カナダ大会では日本に敗れたものの準決勝進出を果たし、2017年に行われた女子の欧州選手権(UEFA Women's Euro 2017)でもベスト4に入った。フランスではそれを上回る大会制覇を狙っているが、組み合わせ抽選ではスコットランド、アルゼンチンの他に2大会前の優勝チームである日本と同組になることが決まり、グループリーグも簡単にはいかないことが予想される。

 その一方で、イングランドと日本は来年3月に米国で開催されるシービリーブス・カップ(2019 SheBelieves Cup)で対戦することが決まっており、ネビル監督とスタッフはそこで日本を詳しく分析する機会が得られる。

 組み合わせが決まった後、ネビル監督は「面白い試合になるだろうが、われわれも日本のことは良く知っている」「素晴らしい世代の選手たちが出てきているし、われわれと同じ考えを持ってW杯に向けた準備をするだろう」「つまり優勝を目指すはず。われわれが第3戦で対戦するのはそういうタイプのチームだ」とコメントした。

 どちらのチームにとっても、最良なのは第2節までに勝ち点6を挙げ、6月19日にニースで行われる第3戦は首位突破をかけた一戦にする形だ。グループDの首位チームは決勝トーナメント1回戦で3位通過チームと対戦する一方、2位通過の場合はグループE1位との対戦になり、相手はカナダかオランダの可能性が高い。

 イングランドは6月9日のグループ初戦で長年のライバルであるスコットランドと対戦するが、欧州選手権の初戦で当たったときは6-0で大勝しており、怖い相手ではない。

 それでも、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)などで活躍し、2018年から女子代表の指揮官を務めているネビル監督は、「あのときとは別の試合になる。スコットランドにも、上位10か国の代表に入れるだけの素晴らしい選手がいる」と油断はない。

 さらに監督は、この試合が英サッカーの今後を左右する大きな機会になると考えている。監督は「勝敗のかかった試合だが、刺激を与える機会でもある。次の世代の英国のアスリート、英国のサッカー選手にとって、この試合がイングランドとスコットランドのサッカー史上またとない機会になると思うんだ」と話した。

 一方、日本が2試合目に対戦するスコットランドは、フランス大会がW杯初出場となる。チームを率いるシェリー・カー(Shelley Kerr)監督は、抽選前は複数の強豪国と同じ組になるのは避けたいと話していたが、決まった後は楽しみな気持ちが上回っているようだ。

 カー監督は「このレベルの試練を待ち望んでいた。われわれにとっては初めてのW杯本大会だし、結果を受け入れなくてはならない」と話した。

「日本は非常に良いチーム。アーセナル(Arsenal)では、近賀ゆかり(Yukari Kinga)と大野忍(Shinobu Ohno)という2人のW杯優勝メンバーと一緒に働いたが、どちらも素晴らしい選手だった」「難敵だし、戦術的にも、技術的にも素晴らしいチームだと思う」「グループを突破したければ、私たちはベストを出さなくてはならない」 (c)AFP/Andy SCOTT