【12月9日 AFP】仏パリで8日、加熱する「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」運動の影響が懸念される中、気候変動問題で各国政府に環境保護の取り組み強化を訴えるデモ行進が行われ、主催者発表で約2万5000人が参加した。

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 今回のデモ行進は、ポーランドで開催中の「国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)」に合わせたもので、フランス国内の120を超える都市や町で行われた。パリ市内の行進については、クリストフ・カスタネール(Christophe Castaner)内相が延期を要請していたが主催者は拒否。だが、黄色いベストによる抗議デモの影響で行進ルートの変更を余儀なくされた。

 警察発表によればパリのデモ参加者は約1万7000人だが、主催者側は約2万5000人としている。9日も黄色いベスト運動参加者らによる散発的な暴動が発生しているが、気候変動対策デモのほうは、これまでパリ市内で行われてきた関連デモとほぼ同じ水準となった。パリ以外のデモ開催地では、マルセイユで約1万人、モンペリエで約3500人、リールで約3000人が参加した。

 黄色いベスト運動による抗議デモ拡大は、環境に配慮したグリーン経済への移行を目的とした燃料税引き上げが、郊外や地方住民の強い反発を招いたことがきっかけだった。運動参加者らは、増税は低所得層へのさらなる打撃だと抗議している。これに対し、環境活動家らは9日のデモ行進で「黄色いベストと緑のベスト、われわれの怒りは同じだ」と声を挙げ、環境問題と低所得者対策の双方を解決するよう求めた。(c)AFP