【12月8日 AFP】韓国政府は7日、世界最低水準の出生率の回復を目指し、将来親になる人々が受けることのできる恩恵を拡大する政策を発表した。韓国は、迫り来る人口減少の危機に直面している。

 韓国では、1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率が今年7~9月期、0.95に低下。人口置換水準の2.1を大幅に下回り、初めて1を割り込んだ。

 人口約5100万人の韓国は、2028年に人口減少に転じると予想されている。

 少子化の原因には、子育て費用や長時間労働、保育施設不足、働く母親にとってキャリアの妨げになることなどが挙げられる。働く母親は家事もこなさなければならず、二重の負担を抱えている。

 政府は2005年以降、合計特殊出生率の改善のため136兆ウォン(約13兆6000億円)もの大金を支出してきたが、成果は出ていない。

 このたび政府が発表した少子化対策では、来年末から8歳未満の子を持つ親は育児のために労働時間を日に1時間短縮できるようにする他、父親の有給の育児休暇を3日から10日に増やした。

 しかし、育児休暇を取得する韓国人男性は、全体のわずか13%にすぎない。多くの男性は、育児休暇を取ることで会社への献身を疑われるのではないかと恐れている。

 政府はまた、保育施設や幼稚園を増やし、子どもの40%がこうした施設を利用できるようにするという。(c)AFP