【12月7日 AFP】国連総会(UN General Assembly)は6日、イスラエルにロケット弾を撃ち込んだとして米主導で提案されたパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)を非難する決議案を否決した。投票結果は賛成87か国、反対58か国、棄権32か国で、必要な投票総数の3分の2の賛成に届かなかった。

 決議案は米国のニッキー・ヘイリー(Nikki Haley)国連大使主導で提案された。今年限りでの退任が決まっているヘイリー大使は、国連は反イスラエルで偏向していると繰り返し非難し、最近のハマスとの対立でもイスラエルを擁護してきた。国連総会にハマス非難決議が提案されたのは、1946年に総会が始まって以来初めて。

 ハマスは投票結果を称賛し、親イスラエルで強硬姿勢を取っているドナルド・トランプ(Donald Trump)米政権を「非難」するものだと述べた。ハマスのサミ・アブ・ズーリ(Sami Abu Zuhri)報道官はツイッター(Twitter)に、「国連での米国の冒険的企ての失敗は、米政権への非難を示すものであり、レジスタンス(反イスラエル武装勢力)の正当性を認めるものでもある」と投稿した。

 イスラエルのダニー・ダノン(Danny Danon)国連大使は、ハマス非難決議が手続き的な投票によって乗っ取られたと不満を述べる一方、決議案への「世界からの幅広い支持」を歓迎した。(c)AFP/Carole LANDRY