【12月7日 AFP】米商務省は6日、米国の10月の貿易赤字が過去10年で最高を記録したことを発表した。ドル高に乗じて輸入が増大し、過去最高に達したことが赤字を押し上げた。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が中国との貿易戦争を断行する一方、米国の10月の輸入額は過去最高を記録。これが要因となり、貿易赤字(季節調整値)は前月比1.7%増の555億ドル(約6兆2600億円)に達した。

 貿易赤字を雇用喪失の原因とするトランプ大統領は今年、同盟国か敵対国かを問わず各国に懲罰的関税を課して赤字削減を目指してきた。しかし今回の統計により、そうした措置にかかわらず、貿易赤字が膨らみ続けていることが示された。

 これにより専門家らは、2018年第4四半期の経済成長率は低下するとの見通しを示している。

 中国に対するモノの貿易赤字は前月比2%増の380億ドル(約4兆2800億円)となり、大豆など主要品目の輸出が減少する中で赤字拡大が続いた。

 米中は現在、双方で総額3000億ドル(約33兆8000億円)余りに相当する製品に厳しい関税を課し合い、激しい対立から抜け出せなくなっている。こうした状況を受けて産業界では混乱が生じ、利益が損なわれ始めている。(c)AFP/Douglas Gillison