【12月7日 AFP】暫定政権とイスラム教シーア派(Shiite)系の反政府武装組織フーシ派(Huthi)の間で続くイエメン内戦について、国連(UN)が仲介する和平協議が6日、スウェーデンのリンボ(Rimbo)で始まった。

 暫定政権側とフーシ派は2016年にもクウェートで和平協議に臨んだが、100日以上にわたる交渉にもかかわらず合意には至らなかった。両陣営の公式な交渉は、それ以来初めてとなる。国連当局者の発表によると、今回の協議は1週間にわたって行われる見通し。

 両陣営は和平協議の開幕を控えて捕虜交換やフーシ派側の負傷者にオマーンで治療を受けさせることなどで合意していたが、交渉が始まるとそれぞれの要求に固執する姿勢を見せた。国連のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は6日、それぞれの要求事項を示した両当事者に、前提条件を付けないよう強く求めた。

 一方、フーシ派のモハマド・アブデルサラム(Mohammed Abdelsalam)報道官は6日夜、協議の初日終了後にアラビア語テレビ「アルマヤディーン(Al-Mayadeen)」に対し、「相手側と協議を行うことには何の問題もない」「われわれは明日、この協議が真剣なものなのかどうか判断するつもりだ」と述べた。

 国連のマーチン・グリフィス(Martin Griffiths)イエメン担当特使は今回の協議は「非常に重要なチャンスだ」と述べた一方、イエメン内戦の完全な終結が話し合われることはないだろうとの見通しを示した。別の国連関係者は匿名を条件に「困難な仕事の始まりだ」と述べた。

 交渉ではイエメンの港湾都市ホデイダ(Hodeida)の今後が俎上(そじょう)に上った。紅海(Red Sea)沿岸のホデイダは現在フーシ派の支配下にあり、サウジ主導の連合軍はここ数か月ホデイダ奪還を目指し攻勢をかけている。

 戦闘はホデイダにいる15万人以上の民間人に恐怖を引き起こした。サウジ主導の連合軍は、フーシ派がイランからホデイダ経由で武器を密輸していると主張しているが、イランはこれを否定している。ホデイダの港は飢餓の危機にひんする同国への輸入食料の90%が入る要衝でもある。(c)AFP/Natacha YAZBECK