【12月7日 AFP】元フィギュアスケート女子の伝説的選手であるミシェル・クワン(Michelle Kwan)氏は6日、2022年北京冬季五輪が行われる中国から「未来の王者」が生まれることを予想し、開催国として大会を席巻するとの見解を示した。

 米カリフォルニア州出身で、通算5度の世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships)制覇を誇るクワン氏は、訪問先の中国・上海で、同国が次の冬季五輪へ向けて資金や大量の労働力を投入している様子を間近で目撃した。

 史上最高のスケーターの一人と評価されている38歳のクワン氏は、米ニューヨーク大学上海校(New York University Shanghai)で行ったスピーチで、「私が見たのは5歳児でしたが、5回目のスケートで機敏な動きを見せたり、学んだりしている様子を目にして本当に驚いた」「未来の五輪王者や次世代を担うアスリートたちを見る素晴らしい機会だった」と述べた。

 全米選手権(Prudential U.S. Figure Skating Championships)で優勝9回の実績を誇るクワン氏はまた、同年代の頃にスケーターを目指していた自分よりも、中国の子どもたちの方が進んでいるとして、「2日前、突然ものすごい勢いで未来の王者が出てくるのが見えた」とすると、米国も中国から学ぶことがあると付け加え、「例えば、ここでは幼稚園児が氷の上に乗っている。私たちにそんなプログラムはない」と続けた。

 2016年の米大統領選でヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)陣営に参加していたクワン氏は、政界進出の野望は抱いていないと話す一方で、北京五輪を盛り上げるために協力する可能性を示唆した。

 中国は今年の平昌冬季五輪で獲得したメダルが合計9個で、そのうち金メダルはわずか1個に終わっており、母国大会で同様の低迷は許されないことから、大勢の外国人指導者の招へいに乗り出している。

 両親は香港からの移民であるクワン氏は、その役割を担うことについて「一度だけ話し合い」をしたと明かし、「私はいつでも、アスリートを目指す若者たちの助けになりたい」と語った。(c)AFP