【12月8日 東方新報】中国国際放送局(CRI)によると、習近平(Xi Jinping)中国国家主席とトランプ米大統領は12月1日、アルゼンチンで会談を行い、追加関税拡大などの貿易制限措置を停止することを決定した。両国は今後90日間で交渉を加速させ、合意に至れば、今年に入って以来互いに課した追加関税を取り消すこととなる。合意に至らなければ、米国は引き続き貿易戦争をエスかレートさせる可能性が高いと見られる。

 今回の会談の成果をどう見るべきだろうか。まず、中・米両国首脳はエスかレートする経済貿易摩擦にブレーキを掛け、中・米貿易戦争を「休戦」状態にさせた。この判断が持つポジティブな意義は疑う余地がない。これは同時に、今後3か月間、両国の実務チームに新たな複雑かつ困難な交渉が課されることを意味している。

 両国はなぜ「休戦」できたのか。その主因は、貿易戦争が双方に代償を払わせたからだろう。貿易摩擦がエスかレートを始めた当初、米国は貿易戦争に勝利することは容易だと認識していた。だがこの8か月余りで明らかになったのは、貿易戦争に勝者はおらず、双方が敗者になるだけという事実だ。統計によると、米国の10月の貨物貿易赤字は772億ドルに達し、再び過去最高を記録した。

 ゼネラルモーターズは11月末、世界7か所の工場(米国の4工場を含む、中国の工場は含まず)を閉鎖する決定を発表し、米政府に一層の圧力と失望を与えた。……明らかなのは、貿易戦争が米国の貿易赤字縮小や業務・資金の還流という目標の実現を後押しせず、むしろ米国経済のリスクを一層加速化させたということだ。

 現在、両国首脳は貿易摩擦に「一時停止」のボタンを押した。これはお互いにとって賢明で有利な選択だ。今後、両国の実務チームが首脳間の合意を実現できるなら、双方にとって間違いなくメリットとなるだろう。さもなくば、両国は新たな貿易戦争を始め、世界に大きな不確実性をもたらすことになる。この意味で、今後3か月は中・米のどちらにも極めて重要なのだ。

 3か月間という交渉期間は、問題の複雑性から見て、時間的に余裕がない。重い課題であることは確実だ。米国が提示した知的財産権の保護や技術協力、市場参入、非関税障壁などを含む「構造的問題」に対し、中国側の姿勢は、「中国の改革開放の方向に合うものは、今後3か月間の交渉の重点議題となりうる」というものだ。この点からも、この交渉の過程は困難かつ複雑なものになると予測でき、逆行の可能性さえ存在する。

 交渉の結果がどうあれ、中国は落ち着いて対応するだろう。貿易戦争により反撃を迫られた一方として、「中国は、貿易戦争をするつもりもなければ、恐れもしない。必要なときには戦わざるを得ない。国の核心的権益と国民の基本利益をしっかり守っていく」という中国の態度は一貫して明確だ。(c)東方新報/AFPBB News