【12月6日 AFP】米体操連盟(USA Gymnastics)は5日、破産法の適用を申請したと発表した。同連盟は、元チーム医師のラリー・ナサール(Larry Nassar)被告による性的虐待スキャンダルの余波で、再建が困難を極めていた。

 連盟はこの日、訴訟を起こしているナサール被告の被害者と和解するため、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したとウェブサイトで明かした。

 先日に連盟の取締役会の会長に選出されたキャスリン・カーソン(Kathryn Carson)氏は、「私たちには過去のおぞましい行為に関する被害者の請求を、完全かつ最終的に解決する義務がある。今回の手続きを通じて迅速な解決を図り、彼女たちが前に進む後押しをしなければならない」と述べた。

 米国オリンピック委員会(USOC)は11月、ナサール被告の性的虐待事件発覚後の組織改革に失敗したとして、米体操連盟の解体に乗り出しており、同連盟は生き残りのために手を尽くしている。

 2012年と2016年の五輪金メダリストを含めて250人以上にも及ぶアスリートに虐待を加えていたとして、ナサール被告は今年に終身刑を言い渡された。

 現時点では、今回の破産申請が一連のスキャンダルに関する訴訟に与える影響は定かではない。米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)は、今回の破産申請によって、訴訟当事者の証拠開示手続きが即時停止になるほか、USOCによる国内統括団体としての認証取り消し手続きが中断される可能性もあると伝えている。(c)AFP