【12月5日 AFP】今年は自動車販売が振るわない中国だが、あるブランドは大きな躍進を遂げた。政府や国営企業、愛国心あふれる国民の購買力に支えられ、国産高級車「紅旗(Hongqi)」が飛ぶ鳥を落とす勢いで売り上げを伸ばしている。

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 紅旗は中国自動車大手の中国第一汽車集団公司(China FAW Group)が展開する高級車ブランドで、故毛沢東(Mao Zedong)主席も愛用したことで知られている。中国は米国との貿易戦争の真っただ中にあるが、習近平(Xi Jinping)国家主席が中国経済の「独立独行」を推し進める中、紅旗の人気が再燃しているという。

 紅旗はフロントにクロムグリル、ボンネットの先端に赤いストライプが描かれたエンブレムを配置した黒いセダンで、習主席や中国共産党幹部の専用車として利用されている。

 しかしここ最近、国営の航空会社や銀行、通信企業のほか、製鉄所までもが大金をはたいて紅旗を大量購入している。

 習主席は中国経済をさらに解放し、外国企業にも公平な競争条件を創出すると繰り返し明言しているものの、第一汽車は国営企業であり、政府は国を挙げて紅旗を支援している。