【12月5日 AFP】1日に行われたボクシング、WBC世界ヘビー級タイトルマッチでタイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)と激闘の末にドローとなり、王座を防衛したデオンテイ・ワイルダー(Deontay Wilder、米国)が、できるだけ早い再戦を望むと話した。

 フューリーは試合後、チャンピオンが再戦を避けて逃げ回ると話しているが、ワイルダー本人はこれを全力で否定し、優先度が高いのはWBA、IBF、WBOのベルトを持つアンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua、英国)との統一戦よりも再戦だと話した。

 ワイルダーは電話インタビューで、「もう一度やる用意はできている」「最大の目標はタイソン・フューリー。彼とのできる限り早い再戦を楽しみにしている」「ヘビー級最大のビッグファイト、ヘビー級で最もエキサイティングなファイトになるし、どちらもファンに望むものを見せる用意がある」と話した。

 1日に行われたスリリングな一戦は、12回を戦った末に判定1-1のドローに終わったが、2回のダウンは喫したもののフューリーの勝利とみる向きも多かった。うつやアルコール中毒、薬物中毒からほぼ3年ぶりに復帰して間もないフューリーは、試合後「あいつはランニングシューズを取り出して、何としても俺から逃げ回るという悪い予感がしている」とコメントしている。

 しかし、再戦は不可避だと考えるワイルダーは、「どちらも心から望んでいるんだから、できない理由がない。最高のファイトだし、戦いはすでに始まってる。このファイトからは逃げられない」「戻ってもう一度やるしかない。それが済むまでは、他のファイトは望まない。タイソン・フューリーと、すぐにでも再戦したい」と話し、希望していたジョシュアとの統一戦については、一転して眼中にないとコメントした。

 ヘビー級の格付けでジョシュアはどのあたりに位置するかという問いに対し、ワイルダーは「ジョシュアのことは頭にない。好きにやらせておけばいいさ」と答えている。

 1日の対戦で、ワイルダーは12回にダウンを奪ってそのままKO勝ちを収めるかに見えたが、そこからフューリーに盛り返されて勝ちを逃した。ワイルダーは、同じ過ちは犯さないと話し、「奴は地獄から戻ってきた。次は奴をそこへ送り返したい」とコメントしている。(c)AFP/Rob Woollard