【12月4日 時事通信社】韓国人の元徴用工の弁護士が24日までの期限を区切り、韓国内の新日鉄住金の資産差し押さえ手続きの開始を明言したことで、日韓関係は緊張の度合いを深めそうだ。資産が差し押さえられれば、日本側も対抗措置は避けられず、対立は泥沼化する。

 弁護士の記者会見によると、新日鉄住金は韓国鉄鋼大手ポスコとリサイクル会社を設立し、その一部株式を保有。金額にして約110億ウォン(約11億円)相当になるという。新日鉄住金は3000件近い知的財産権も韓国で所有しており、こうした資産が差し押さえの対象になる。

 弁護士は、新日鉄住金が24日の期限までに協議に応じなければ「その週に資産差し押さえの手続きに入る」と言明。その上で、対話を重視する姿勢も示した。

 一方、日本にとって韓国最高裁の判決は「国際法違反」(安倍晋三首相)。その判決に基づく韓国での資産差し押さえは、「日本企業の正当な活動を妨げる動き」(日本政府当局者)と見なされる。日本政府は対抗措置に踏み切らざるを得ない状況に追い込まれる。

 韓国政府はタスクフォース(作業部会)を設置し、知日派の李洛淵首相を中心に対応策の取りまとめを進める方針だ。年内にも方向性が示されるとの見方もあるが、資産差し押さえをめぐり日韓の対立が激化すれば、国民感情がさらに悪化し、対応策の選択肢が狭まることになる。(c)時事通信社