【12月14日 東方新報】毎年、中国の「双11( 独身の日)」の販売セールが終わると、全国各地に10数億件の荷物が届けられる。しかし、ダンボールなど利用された大量の梱包資材類はゴミ箱行きとなり、深刻な包装資材の浪費問題に直面している。このような注文品に利用される包装類への対策が、もはや一刻の猶予も許されないところにきている。

 11月下旬、中国・河南省(Henan)鄭州大学(Zhengzhou University)学内にある物流管理施設では、赤い帽子をかぶったボランティアたちがペンやハサミなどを持参し、連日慌ただしく回収作業に追われていた。

 同大学の学生でボランティアスタッフの高渊博さんは寒風吹きすさぶ中、1時間立ちっぱなしで作業に没頭した。箱に付いたテープをはがし、宅配伝票を処分し、ダンボールを折りたたむ。今回の活動に初参加の高さんだが、非常に慣れた手つきだ。高さんの足元には、回収した包装箱が2袋分の麻袋に集められ、1時間後にはそれが4袋分にもなっていた。

 高さんは、「学生たちは積極的で熱意も高く、多くの人たちが荷物を受け取った後、直接たたんだ状態のものを持ってきてくれた。またある学生は、宿舎内にある不要となったすべてのダンボール箱を持参してきた」と非常に満足げだった。

 今回は、独身の日直後の11月12日から1週間活動した。鄭州大学内に6か所の回収集積所を設置し、学生たちは毎日午後12~2時と午後6~8時の2回の時間帯で各集積所にいるスタッフに使用済の梱包資材を渡す。ダンボール1箱につき学生に提供する「愛心カード(引き換え券)」は12日5日の国際ボランティアデー(International Volunteer Day)の当日に引換券の枚数によって景品などが贈られたという。

 そして11月19日の夜、鄭州大学での活動は終了した。当日までに回収されたダンボール箱は約1500キロ、昨年に活動した時の2倍の量で、リサイクル資材としての販売額も約2000元(約3万3000円)、学生たちに配った愛心カードものべ2万4370枚で、こちらも昨年活動時よりも大幅に増えた。

 鄭州大学の冀娟・党委員会書記は、「このような活動が鄭州大学内にとどまらず、ほかの大学にも広まって、多くの大学生たちにボランティア事業に携わってもらいたい」と話している。(c)東方新報/AFPBB News