【12月5日 AFP】国際陸上競技連盟(IAAF)は4日、国家ぐるみの薬物違反が指摘されたロシアの資格停止を継続すると発表し、処分の解除に向けた条件を二つ挙げた。

 IAAFの評議会が次に開催されるのは2019年3月のため、これでロシアは、2月に行われる欧州室内選手権(European Athletics Indoor Championships 2019)には代表を派遣できないことになった。

 IAAFの作業部会で責任者を務めるルネ・アンデルセン(Rune Andersen)氏は、条件として、モスクワの研究所に保管されている2011年から2015年分のサンプルの検査データを提出すること、そしてチームの作業費とスポーツ仲裁裁判所(CAS)での調停費用をロシア側が支払うことを挙げている。

 提出されたデータは、ドーピング関連の事案を扱う独立機関「アスレチックス・インテグリティ・ユニット(AIU)」に渡され、調査すべき疑わしいデータがないかを確認することになる。

 アンデルセン氏はサンプルについて、「年末までにデータが提出されることを願っている。それ以上のことは言えない」と話した。

「データが直接われわれの元へ送られてくるという話は受けていない」「世界反ドーピング機関(WADA)へ送るという話で、そしてWADAは受け取り期限を12月31日と定めている。状況次第だが、WADAからデータが届けばAIUへ移し、適切なものだと納得できるかを調べることになる」

 ロシア陸上競技連盟(RUSAF)のドミトリー・シリャフチン(Dmitry Shlyakhtin)会長は、今回の決定について「驚きはないが、希望は持っていた。RUSAFとして(IAAFの要求を満たそうと)懸命に努力してきたからだ」とコメント。費用の支払いとデータの提出については交渉中だと明かした。(c)AFP/Luke PHILLIPS