■観光も脅威に

 しかし北センチネル島と違い、アマゾンは地続きで、外部からの脅威は無数にあり、それを寄せ付けずにいることは難しい。

 人口の少ないこの地域にとっての最大の脅威は、麻薬組織による取引をはじめとする数々の違法行為だ。容易に近づくことができないジャングルは、こうした違法組織によって悪用されてしまっている。加えて、アマゾンの豊富な天然資源が、金の採掘からスギやマホガニーの伐採まで、探鉱や投機目的のあらゆる人々を引き寄せる。これによって資源消滅の危機問題も起きている。

 違法行為だけではなく、アマゾンを観光開発するための道路建設もまた、先住民たちの故郷に害を与えている。今年1月には、ペルー議会が熱帯雨林を貫く道路建設を承認する案を可決した。

 先住民マシコ・ピロは、狩猟採集しながら移動する約900人のグループだ。彼らが暮らす保護区の近くにはペルー観光の二大拠点、インカ帝国の首都だったクスコとマチュピチュ(Machu Picchu)遺跡がある。

 マシコ・ピロの人々を守るためにペルー文化省は、たちの悪い旅行代理店が孤立先住民に接触するツアーを提供することがないよう、規制を導入した。

 しかし、その戦いは苦戦を強いられているのが現状だ。(c)AFP/Roberto CORTIJO