【12月2日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は1日、20か国・地域(G20)首脳会議のため訪れたアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで首脳会談を行い、米中貿易戦争の「一時停戦」に合意した。主な合意事項は以下の通り。

■関税

 トランプ大統領は、来年1月1日に予定していた2000億ドル(約23兆円)分の中国製品に対する現行10%の関税の25%への引き上げを90日間遅らせることに同意した。中国は米国との著しい貿易不均衡を是正するため、米国から「膨大な金額」の農産品やエネルギー、工業製品などを輸入し、米農産品の輸入拡大を「即座に」実施する。

 トランプ大統領と習主席は、強制的な技術移転、知的財産保護、サイバー侵入やサイバー窃盗、サービス、農業などに影響を及ぼす「構造改革」についての協議を「即座に」開始することになる。90日以内に合意に達することができなかった場合、延期された関税の25%への引き上げが実施される可能性がある。

■北朝鮮、半導体大手クアルコム

 両首脳は北朝鮮問題に関する「大きな前進」を足掛かりに、同国の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長と共に朝鮮半島の非核化を目指していくことでも合意。トランプ大統領は、「金委員長に対する友情と敬意」を表明した。

 一方習主席は、かつて妨害した米半導体大手クアルコム(Qualcomm)によるオランダの同業大手NXPの買収承認を前向きに検討する。

■フェンタニル

 ホワイトハウス(White House)によると、習主席はオピオイド系鎮痛剤のフェンタニルを規制薬物に指定し、米国にフェンタニルを販売した者に中国の最高刑を科すことに同意し、「素晴らしく人道的な態度」を示した。米国に輸入されるフェンタニルのほとんどを中国製が占めている。(c)AFP