【12月2日 AFP】サッカー女子アフガニスタン代表の選手が、同国連盟の関係者から暴行を受けたと告発し、国際サッカー連盟(FIFA)が調査を行っていることが明らかになった。

 この件は英紙ガーディアン(Guardian)が報じたもので、選手がアフガニスタンサッカー連盟(AFF)の本部や、2月に行われたヨルダン合宿の最中に、ケラムディン・カリーム(Keramuddin Karim)会長ら複数の連盟幹部に性的、身体的な暴行を加えられたという上層部の言葉を掲載した。

 家父長制が浸透している極めて保守的な国を舞台にした繊細な話題であることから、FIFAは選手に実害が及ばないよう、信頼の置ける団体と共に調査を積み重ねてきたとし、コメントで「この重大な話題について調べている」と認めている。

 記事では元チーム主将のカリーダ・ポパル(Khalida Popal)氏の言葉も紹介されており、殺害予告を受けて国を離れ、アフガニスタンで女性が直面する性差別について声を上げ続けている同氏によれば、女子選手は男性職員にさまざまなことを「強要」されるのだという。

 またガーディアンは、デンマークのスポーツウエアメーカーのヒュンメル(hummel)が、アフガニスタン代表のキットスポンサーから撤退したとも報じている。

 一方、AFFはこの主張を「強く」否定し、事務局長が「記事はでたらめだ。どの女子選手にも性的嫌がらせ(セクシュアルハラスメント)は行われていない」「タリバン(Taliban)やムッラーを理由に女子チームの活動を停止、または消滅させることは簡単だが、われわれは後退したくないし、チームをサポートする」とコメント。スポンサーに関する報道も否定した。AFPの問い合わせに対し、ヒュンメルから回答はなかった。

 連盟はフェイスブック(Facebook)ページでも、告発した選手から直接連絡を受けていないし、調査に必要な情報も提供されていないと話している。

 アフガニスタンの女子サッカーをめぐる状況は、代表以外のところでも近年大きな進歩を遂げており、4年前には女子の国内リーグも始まっていた。(c)AFP