【12月1日 AFP】ナイジェリア警察は11月30日、北西部ザンファラ(Zamfara)州で身代金目的の誘拐と家畜窃盗の増加を受けた犯罪取り締まりを実施し、104人の「盗賊」を殺害したと発表した。

 ザンファラ州では過去1年、暴力犯罪がまん延。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は7月、貧しい同州に暮らす人たちは、人質を取ったり村を襲ったりする武装強盗の「なすがまま」になっていると警告した。

 ナイジェリア国家警察のジモー・モシュード(Jimoh Moshood)報道官は、同州のマハンガの森(Mahanga Forest)で11月29日、合同作戦班が「武装した盗賊の待ち伏せ攻撃を撃退」し、「その過程で104人の盗賊を殺害した」と発表した。同報道官は死者数を確認するAFPに対し、「そう、盗賊104人だ。住民ではない。無実の人々を恐怖に陥れ、殺害してきた武装盗賊だ」と述べた。

 発表によれば、ザンファラ州には11月初めに警官1000人余りが派遣され、それ以降、誘拐や家畜窃盗に関与した容疑で85人が逮捕された。

 アムネスティ・インターナショナル・ナイジェリア(Amnesty International Nigeria)広報のイサ・サヌシ(Isa Sanusi)氏は、遠隔地で実施された治安作戦の成否の評価は難しいと指摘し、「治安機関の公式発表は、ザンファラ州の現場での状況と正反対であることが多い」と説明。「ザンファラ州の治安状況の悪化に歯止めを掛ける上で、殺人犯を裁判にかけることは一段と重要になっている」と述べた。

 ナイジェリアでは誘拐以外にも数多くの治安上の懸念があり、接戦が予想される来年2月の大統領選で2期目(任期4年)を目指すムハマドゥ・ブハリ(Muhammadu Buhari)大統領への圧力となっている。ブハリ大統領は、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」の襲撃増加などの治安上の脅威をめぐり批判されており、増える暴力犯罪に対処する政権の能力を示そうとしている。(c)AFP