【12月7日 Xinhua News】ジャイアントパンダは古くから存在し、世界中の人々に愛されている動物だ。40年前、カメラを肩に掛け、このジャイアントパンダと触れ合いながら6年間過ごした女性がいる。現在84歳になる彼女は、1千枚以上に及ぶパンダの写真を発表し、世界中の読者に紹介したことから、中国や海外の人々から親しみを込めて「パンダ記者」と呼ばれている。

 彼女の名前は金勗琪(Jin Xuqi)。新華社の初代パンダ担当記者だ。金さんは1952年に四川大学中国語文学科に入学。卒業後は新華社に入り、四川支社に配属された。記者生活において、6年以上にわたってパンダとの交流を重ね、四川省西部の高山密林地帯に分け入り、パンダの生息環境や生活、習性、生育・繁殖状況、人間による保護・研究を記録、報道し、1千枚以上に及ぶ写真を撮った。

 金さんはしばしば、山間の営林場に入って20日余り滞在していた。科学研究スタッフと共に野生のパンダを追跡し、パンダの人工繁殖や飼育の進展に注目した。金さんは当時を振り返り「子どもと過ごす時間より、パンダを撮影する時間の方が長かった」と懐かしそうに語った。

 退職して30年になる金さんだが、誰かとパンダの話をするたびに、大いに喜び、輝くような笑顔になる。退職後もパンダに心を寄せている金さんは2007年、自ら6千元(1元=約16円)出して、長年撮りためたパンダの写真と貴重な経験を入念に整理し、1冊の写真集にして親戚や友人に贈呈。かわいいパンダの姿によって、人々の心にパンダへの愛情と関心を呼び起こそうとした。

 最近のパンダ全数調査によると、2013年末時点、中国の野生パンダの総個体数は1864頭となっており、2016年には国際自然保護連合(IUCN)がジャイアントパンダのレッドリストのカテゴリーを「絶滅危惧種」から「危急種」に1つ下げている。11月現在、世界で飼育されているパンダの個体数は548頭となっており、数十年にわたる努力の末、中国のパンダ保護活動は世界の絶滅危惧種保護の模範となった。

 金さんは「パンダと触れ合う機会に恵まれたことは、私にとって幸運でした。パンダは中国のものであり、全世界の人々のものです」と語り、パンダがますます多くの人々から注目され、保護されるようになったことを心から喜んでいる。(c)Xinhua News/AFPBB News