【11月28日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の伝説的ドライバー、ミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏の息子で、2018年の欧州F3選手権(FIA European Formula 3 Championship)の年間王者に輝いたミック(Mick Schumacher)が、2019年シーズンはフォーミュラ2(FIA Formula 2 Championship)に参戦することが決まり、うわさされていた飛び級でのF1参戦は実現しなかった。

 所属するプレマ・パワーチーム(Prema Powerteam)が発表したプレスリリースで、19歳のミックは「僕にとってはこれが理にかなったステップ。技術面でもっと経験を積み、ドライビングテクニックを磨きたいと思っている」と話した。

 F1で7回の総合優勝を果たしているシューマッハ氏の息子のF3制覇に、このままF1へジャンプアップするのではと盛り上がっていた周囲からすれば水を差された形だが、本人は以前から、いつかはF1に参戦したいと公言している。

 ミックは5連勝を飾るなどシーズン後半のF3を席巻して年間タイトルを獲得し、すでにF1参戦に必要な国際自動車連盟(FIA)の「スーパーライセンス」の取得条件を満たしている。F1王者のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)も「F1界にもう一人のシューマッハが出現するのは100パーセント確実」と話している。

 以前は余計な注目が集まるのを嫌がって母方の旧姓を使っていたミック本人も、国内の番組で「父と比べられるのはまったく構わない。父は最高のドライバーで、だからこそ僕にとっては手本になる」「世界チャンピオンになった選手でさえ、父と自分たちとを比較している」と話している。

 そのシューマッハ氏は、2013年12月29日のスキー事故から5年が経とうとする今も、状態は依然として謎に包まれている。ミックとともにスキーを滑っていた際に負傷したシューマッハ氏は、その後公の場に姿を現しておらず、家族も同氏の話題には固く口を閉ざしている。(c)AFP