【11月26日 AFP】エジプト考古省は24日、南部ルクソール(Luxor)にある古代都市テーベ(Thebes)の墓地遺跡(ネクロポリス)で新たに発見された墓と、出土した石棺や木棺、副葬品などを公開した。

 公開されたのは、「王家の谷(Valley of the Kings)」と「王妃の谷(Valley of the Queens)」の間に位置するアルアサシーフ(Al-Assasif)地区で見つかった墓。同地区は古代エジプト王(ファラオ)の側近や貴族たちの墓が数多くある。

 ハトシェプスト(Hatshepsut)女王葬祭殿の前で行われた式典でハリド・アナニ(Khaled el-Anany)考古相は、「非常に素晴らしい壁画」のある「新たな墓」をフランスとエジプトの考古学チームが発見したと発表した。

 墓からは石棺や像のほか、木や陶器・粘土などで作られた副葬品の人形「ウシャブティ(Ushabti)」約1000点が出土した。墓は第11~12王朝期(中王国時代)のもので、埋葬されていたのはカルナック神殿(Karnak Temple)を構成するムト神殿(Temple of Mut)でミイラ製作をつかさどっていた官吏とみられる。

 また、アナニ考古相は記者会見で、この墓とは別に、仏オリエント考古学研究所(IFAO)とストラスブール大学(University of Strasbourg)のチームがエジプト第18王朝の石棺2つを発見したと発表した。

 考古省の声明によると、一方の石棺からは「保存状態の良い」女性のミイラが発見された。ミイラの女性は「チュウヤ(Thuya)」という名で、現在、身元を突き止める調査が行われているという。(c)AFP