【11月22日 AFP】伊ファッションブランド「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)」は21日、同社のソーシャルメディアへの投稿が人種差別的だとする抗議の広がりを受け、かねて計画していた中国・上海でのファッションショーを中止した。同社にとって、世界で最も重要なぜいたく品市場での大きなつまずきとなる。

 ドルチェ&ガッバーナは今週、ピザやスパゲティを箸で食べる女性の短い動画をインスタグラム(Instagram)に投稿。一部の人がこれを文化への配慮に欠けるものと見なした。

 怒りっぽい性格で知られる同社の看板デザイナー、ステファノ・ガッバーナ(Stefano Gabbana)氏は、この動画をめぐるインスタグラム利用者とのチャットの最中、中国のことを汚物の絵文字五つで表現するなど、中国や中国の人々を繰り返し侮辱。このチャットの様子を記録したスクリーンショットが拡散し、怒りの嵐が起こった。

 ドルチェ&ガッバーナは直ちに謝罪し、同社とガッバーナ氏のアカウントはハッキングされたと釈明したが、中国のソーシャルメディア上での騒動を抑える効果はほとんど見られなかった。

 ショーは「グレートショー(Great Show)」と銘打ち、中国の大物著名人の参加も予定されていたが、21日に著名人らが相次ぎ欠席を表明した。

 中国で絶大な人気を誇る少年アイドルグループTFBOYS(TFボーイズ、The Fighting Boys)の王俊凱(Wang Junkai)さんのマネジメント会社は、「母国は何より重要だ。私たちはわが国の壮麗な文化遺産の価値をしっかり理解している」と述べ、ショーに欠席することを発表した。

 女優のリー・ビンビン(Li Bingbing)さんは中国版ツイッター(Twitter)の微博(ウェイボー、Weibo)で4200万人のフォロワーに対し、「私は母国を愛している」と述べた。

 反発の高まりを受け、ドルチェ&ガッバーナはインスタグラムとウェイボーで謝罪。自社アカウントとガッバーナ氏のアカウントはハッキングされたと釈明するとともに、法務部門がこの問題について「緊急の調査」を行っていると発表した。(c)AFP