【11月22日 AFP】イタリア中部の観光名所「ピサの斜塔(Leaning Tower of Pisa)」が、補強作業によって今では安定し、ごくわずかだが真っすぐになったことが分かった。専門家チームが21日、明らかにした。

 ピサの斜塔(高さ約57メートル)は、海運で栄えた中世のピサ共和国の力を象徴するもので、1173年の着工以降、一方向に傾き続けていた。傾きは一時、垂直方向から4.5メートルに達し、1990年1月には安全上の懸念から11年にわたって閉鎖されることになった。

 補強・修復作業の監視に当たる専門家チームは21日、17年にわたって調査してきた結果、「ピサの斜塔は安定しており、非常にゆっくりと傾きが小さくなってきている」と発表した。

 イタリアメディアは地元ピサ大学(University of Pisa)のヌンツィアンテ・スクエリア(Nunziante Squeglia)教授(工学)の話として、ピサの斜塔は4センチ分、傾きが垂直方向に戻ったと伝えている。

 ピサの斜塔については、ポーランド出身で後にイタリア国籍を取得したエンジニアのミケ―レ・ジャミオロスキー(Michele Jamiolkowski)氏が1993~2001年に斜塔を救うための国際委員会を組織。その後、専門家らの監視チームが発足した。

 斜塔の傾きはこれまでに、垂直方向に40センチ余り改善している。(c)AFP