【11月21日 AFP】国際刑事警察機構(インターポール、InterpolICPO)の新総裁選について、マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は20日、韓国出身の金鍾陽(キム・ジョンヤン、Kim Jong Yang)総裁代行を支持すると表明した。

 中国で収賄容疑によって拘束された孟宏偉(Meng Hongwei)前総裁の後任を決める投票は、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開かれているインターポール年次総会の最終日に当たる21日に行われる。

 ポンペオ氏は報道陣に対し「わが国はキム・ジョンヤン氏を強く支持する」と述べ、インターポールの新総裁には「誠実な人物」を選ぶべきで、米国はキム氏こそ適任者と考えていると主張した。

 インターポールの新総裁選では、ロシア内務省出身で現副総裁のアレクサンドル・プロコプチュク(Alexander Prokopchuk)氏が有力視されている。

 だが、プロコプチュク氏がICPO総裁に就任した場合、ロシア政府がその地位を乱用しかねないとして憂慮する声が上がっている。そうした人々は、ロシア政府が過去に政権に批判的な人物を標的とし、国際指名手配犯の引き渡しを求めるインターポールの通知「レッド・ノーティス(Red Notice)」を乱用したと指摘している。

 米上院の超党派議員グループは今週公開した書簡で、プロコプチュク氏がICPO総裁にすることは「キツネにニワトリ小屋の番をさせるようなもの」だと例え、「ロシアは日常的に政敵や反体制派、ジャーナリストらに復讐したり攻撃したりする目的でインターポールを乱用している」と述べた。米上院議員らはまた、こうした戦略にプロコプチュク氏が「個人的に関与してきた」とも述べている。(c)AFP/Thomas Watkins, with Theo Merz in Moscow