【11月24日 Xinhua News】中国と日本の共同プロジェクト「中日協力第2次黄河中流域保全林造成計画」が正式に開始されたのは2003年10月8日。公式記録によれば、プロジェクトは黄土高原に「緑化の手本」を作り出すことを目的に、黄河支流の昕水河(きんすいが)流域でも特に生態環境が脆弱(ぜいじゃく)な吉(Ji)県や大寧(Daning)県、蒲(Pu)県、隰(Xi)県の4県を選び実施された。日本政府が約17億円の無償援助を行い、2008年のプロジェクト修了までに計4900ヘクタールの高水準な生態系保全モデル林を造成した。

 植林当時は数十センチだった木の苗も10年が経ち、一面の林に成長した。最も背丈が高いものは6メートルに達する。生態的効果は明らかだ。 

 山西省林業・草原局造林緑化管理処の趙峰(Zhao Feng)処長は「かつての昕水河流域は、土壌の侵食が深刻で自然災害も頻繁していた。現在ではプロジェクトエリアの森林率は60%前後増加し、土壌侵食係数も植林していない普通の山と比べ40%ほど低い」と語る。

 プロジェクトは、4900ヘクタールの保全モデル林や79・5キロの林道、539.8キロに及ぶ道路の拡張・修繕という形としての成果を残しただけでなく、4つの県で実施された344回の研修により林業技術者や関係者5420人を育成。多くの植林名人を生み出した。

 人口わずか十数万人の隰県には現在、28の植林合作社(協同組合)があり、千人余りが荒れ山を舞台に活躍している。その多くは日本が行った技術研修の受講者たちだ。同県は昨年、日本が伝えた植林プロセスにより全流域6万ムー(約4千ヘクタール)で造林プロジェクトを実施しモデル効果を拡大させた。

 中国と日本は2010年から2015年にかけて再び協力し、山西省など黄土高原に位置する7つの省・区で「黄土高原林業新技術推進普及プロジェクト」を実施した。計20回の講習会が開かれ1223人が参加した。

 趙氏は「協力プロジェクトの効果は明らかで、植えられた樹木はすでに林となり、現地に貴重な植林チームを残した。彼らは今後長期にわたり造林緑化の主力となるだろう」と語り、これは「緑のバトン」であり、これからも引き継がれ、黄土高原の生態環境を引き続き改善していくだろうと述べた。

 中日平和友好条約が締結されてから40年、両国が協力して黄土高原に植えた一面のアブラマツやコノテガシワも多くの協力成果の一つと言える。中国は今後、大規模な国土緑化計画を進めることになる。中日両国の生態環境分野での協力もさらに大きな協力の余地が得られるだろう。(c)Xinhua News/AFPBB News