【11月19日 AFP】昨年11月に南北朝鮮を隔てる軍事境界線を越境し、銃撃され重傷を負いながらも韓国に亡命した元北朝鮮兵士が産経新聞(Sankei Shimbun)のインタビューに応じ、北朝鮮の若い世代のほとんどに金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長に対する忠誠心はなく、自身も感じていなかったと証言した。

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 産経新聞によると、インタビューに応じた呉青成(オ・チョンソン、Oh Chong Song)氏(25)は北朝鮮軍少将の息子で、メディアの取材に応じるのは初めてだという。呉氏は自身の出自について恵まれていたとする一方、金委員長に対する忠誠心などは感じていなかったという。

 呉氏は「北朝鮮内部では若い世代をはじめ人々は他人や政治、指導者に無関心で、忠誠心もない」と指摘し、自身も金委員長による支配体制について関心がなかったという。

 また、自身について韓国メディアが北朝鮮国内で殺人を犯したなどと報じたことに関し、これを否定した。

 インタビュー内容によると、越境当日に呉氏は友人と口論となり飲酒。共同警備区域(JSA)へ戻る途中に検問所を突破してしまい、戻れば処刑されると恐れ、そのまま越境しようと決心したという。亡命したことについては後悔していないという。(c)AFP