【11月19日 AFP】香港の選挙制度の民主化を求めた2014年の大規模デモ「雨傘運動(Umbrella Movement)」をめぐり、市民生活を妨害し社会秩序を乱したなどとして起訴されたデモ発起人3人の公判が19日開かれ、全員が起訴内容を否認した。

 この裁判では、公衆を妨害した罪などで発起人3人を含む民主派の活動家9人が起訴されている。これは英植民地時代の法律に基づく罪状で、有罪なら最高で禁錮7年の刑が下される。

 このうち香港大学(University of Hong Kong)の社会学教授、陳健民(Chan Kin-man)氏(59)、法学准教授の戴耀廷(ベニー・タイ、Benny Tai)氏(54)、キリスト教バプテスト派牧師の朱耀明(Chu Yiu-ming)氏は、2013年に香港の政治改革を求める抗議運動「オキュパイ・セントラル(Occupy Central、中環を占拠せよ)」の共同発起人で、学生が主導した翌年の雨傘運動にも参加した。

 民主的な香港行政長官選挙の実施を訴えた雨傘運動によって、香港の市中心部は数か月間にわたって機能停止状態になった。

 香港・西九龍(West Kowloon)の裁判所前には大勢の支持者が集まり、出廷するため3人が到着すると「平和的抵抗! 真に普遍的な選挙権を求めたのだ」と声を上げた。

 一方、検察側は大規模デモが主要道路を封鎖した結果、「一般市民に公的な損害」をもたらしたと非難。3人が「公共スペースや道路を違法に妨害する目的で」デモに参加し、支援を行ったと主張した。公判は20日間にわたって行われる。(c)AFP