【11月18日 AFP】男子テニス、ATPワールドツアー・ファイナルズ(ATP World Tour Finals 2018)は17日、7日目が行われ、大会第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)が第2シードのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)を7-5、7-6(7-5)で下し、決勝進出を決めた。この一戦の終盤には、ボールボーイがプレー中に落球してポイントがやり直しになり、騒然となりながら試合は終わった。

 ベテラン勢に対抗する新たな世代を背負って立つ21歳のズベレフは、これで自身最大のタイトル獲得まであと1勝と迫ったが、フェデラーにとってはシングルス通算100回目の優勝はお預けとなった。

 英ロンドンのO2アリーナ(O2 Arena)で行われた一戦は第2セットのタイブレーク、フェデラーが4-3とリードして迎えたポイント中にボールボーイが落球し、ズベレフがラリーを止めるという珍しい出来事が起こり、これにより試合終盤の展開は影が薄まってしまった。

 やり直しになったポイントをサービスエースで奪ったズベレフは5-4とリードすると、フェデラーは簡単なフォアハンドのボレーをネットにかけた。これで2本のマッチポイントを手にしたズベレフは、自身のサービスから始まった2本目のチャンスをものにして勝利をつかんだ。

 試合後、会場に詰めかけたフェデラーのファンからはブーイングが飛んだが、コート上でインタビューを行ったアナベル・クロフト(Annabel Croft)氏は観客に対し、ズベレフはルールに従ってプレーしたのだから「もっと敬意を払ってほしい」と呼びかけた。

 ズベレフは「観客が正しく理解していなかったのは明らか。そのことで少し動揺した。いや、動揺というより悲しかった。試合後のブーイングや反応はね」と振り返っている。「彼らは実際に何が起きたのか分からなかったのかもしれない。それがあのような反応になった一因かも。けれど最後にはネット際でロジャーにごめんと伝えた。そうしたら『君が謝る必要はない』と言われた」

 フェデラーは「間違いなく大きな判定」だったとしながらもズベレフは責められるべきでないと主張している。

「良い位置でラリーを続けていたのに、やり直しになってエースを奪われたのだから、もちろん違いが生まれる」「それが勝敗を左右したのかもしれない。今話しても仮定でしかないが」「試合の大部分を通してあまり思い通りにプレーできていなかったと思う」「終盤になって良いプレーができるようになり、それで最後はかなり競ることができた」

 ズベレフは決勝で第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)と対戦する。ジョコビッチは同日に行われたもう一方の準決勝で、第4シードのケビン・アンダーソン(Kevin Anderson、南アフリカ)に6-2、6-2で勝利している。(c)AFP/John WEAVER