【11月17日 AFP】(更新、写真追加)米ホワイトハウス(White House)は16日、米CNNのリポーター、ジム・アコスタ(Jim Acosta)氏の記者証を「一時的に」復活させホワイトハウス出禁を解除する方針を示した。ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領との激しいやり取りの後、同記者がホワイトハウスの出入りを禁止された措置について、裁判所が不適当との判断を下したため。

 サラ・サンダース(Sarah Sanders)報道官は「裁判所の判断を踏まえ、われわれは一時的にアコスタ氏の記者証を復活させる」と述べた。

 しかしサンダース報道官は今後、アコスタ氏の記者証を取り上げる可能性を排除せず、「公正かつ秩序ある記者会見を確実に行えるよう」新たな規則が課されるだろうとの考えを示した。

 トランプ氏は記者会見のような集まりを運営する規則を策定中だと述べ、報道陣に「われわれは礼節をわきまえ行動しなければならない。われわれが望むのは完全な報道の自由だ」と語った。だがトランプ氏や報道官らは会見で、過度に敵対的としてジャーナリスト、とりわけアコスタ氏を非難することがよくある。

 ティモシー・ケリー(Timothy Kelly)判事は16日の判断で、アコスタ氏の入庁許可停止の手続きが違法であるとしただけであり、言論の自由の問題に関する判断ではないと強調した。

 同判事は首都ワシントン(Washington D.C.)の法廷で、「私は(報道の自由の保護を定めた)合衆国憲法修正第1条(First Amendment)の違反があったとの判断を下しているのではないことを明確にしておきたい」とし、この点についての審理は今後行われると述べた。

 司法省のジェームズ・バーナム(James Burnham)弁護士は、アコスタ氏は先週の記者会見を「中断させた」と主張し、「合衆国憲法修正第1条にホワイトハウスへの出入りという権利はない」と説明した。

 だが大手メディアはアコスタ氏の主張を支持。トランプ氏に好意的なFOXニュース(Fox News)さえも、アコスタ氏への記者証返却を求める裁判でCNN側に加勢した。

 CNNは声明で「われわれはこの判断に満足しており、数日中に全面的解決に至ることを期待している」とし、「CNNにとどまらず、自由で強力、独立した米報道界を支援してきたすべての人々に心から感謝する」と述べた。(c)AFP